がん保険と就業不能保険の違い

現役ファイナンシャルプランナー中野さん

監修ファイナンシャルプランナーさん:中野令子さん

現在2児の母。短大卒業後、出産前までは大手証券会社で長年営業に従事。個人や法人の顧客向けに資産運用商品や保険などの金融商品を販売。現在は自営業の夫の仕事を手伝う傍ら、自身の経験を活かし、ウェブライターとして活動中。わかりやすいをモットーに、身近にあるお金について解説します。1級FP技能士。

がん保険と就業不能保険の違いについて

がん保険と就業不能保険のおもな違いをまとめると、以下のようになります。

がん保険 就業不能保険
保障対象 がん(悪性新生物・上皮内新生物)※上皮内新生物は保障対象外としているがん保険もある 病気・ケガ・ストレス性疾患により就業不能状態が一定期間以上継続した時
保障内容
  • 診断給付金(一時金ともいう)
  • 入院給付金
  • 手術給付金
  • 通院給付金など
  • 就業不能給付金
免責期間 90日間 60日間のものが多い
支払限度額 入院給付金や通院給付金などはほとんどのケースで無制限 支払回数上限などが決められている

保障対象の違いについて

がん保険の保障対象となるのは、がんになった時です。がんと診断された時や入院・手術・通院などをした際などに保障がなされます。

これに対して就業不能保険は、病気やケガ・精神疾患などの理由で就業できない状態が一定期間続いた場合に保障対象となりますが、厳密にはこの保障対象の基準は保険会社によって違いがあり、保障対象となる病気などの種類がかなり限られているものもあります。

保障内容の違いについて

がん保険の保障内容は、がんに関しては非常に幅広いものとなっているのが特徴です。

がんと診断された時は診断給付金(一時金)が給付され、さらに入院・手術・通院に対してもそれぞれ給付があるものが多く、がん治療の範囲のほとんどをカバーできる保障内容となっています。

これに対して就業不能保険の保障内容は、所定の理由による就業不能状態が一定期間続けば就業不能給付金の給付対象となりますが、「どんな理由であっても就業不能になったら給付金が出る」というものではありません。

就業不能給付金の対象となる病気・ケガ・精神疾患の判断は各保険会社によって異なり、たとえば病気については5大疾病のみが対象となる、ケガについては対象外、精神疾患については対象外、などというケースも存在します。

ですから就業不能保険の加入を検討する際は、どのような理由・状態で就業不能になれば保障してもらえるのかという点をしっかりとチェックしておくことが大切です。自分がもし将来的に就業不能になるとしたら、どんな理由で就業不能になる可能性が高そうなのか、という部分も考えながら比較検討するといいでしょう。

免責期間の違いについて

がん保険の免責期間はどのがん保険もほぼ統一されており、90日間または3ヶ月が基本となっています。

これに対して就業不能保険の免責期間は60日間になっているものがもっとも多いですが、中には入院2週間以上(入院を伴わない就業不能は対象外)など、独自の免責期間を設定しているケースもあります。

支払限度額などの違いについて

がん保険の支払限度額は、入院給付金や通院給付金に日数制限がなく、さらに手術給付金についても回数制限がないというものが多いため、入院・手術・通院については実質的に支払限度額が無制限となっています。

ただしがん保険の保障の中でも診断給付金(一時金)は契約期間中に1回限り、または数年に1回までのペースに限るなど、何らかの制限がもうけられていることがほとんどです。

これに対して、就業不能保険の支払総額は保険商品によって大きく異なります。まず、55~70歳までの満期を選び、次に月額いくらの給付金が必要かを選びますが、選択肢によって支払われる保険金額は変わります。
また、けがの場合の給付金支払い条件はかなり厳しく、高度障害や身体障害に該当しないと、給付金がもらえないこともあるので、契約の際にはしっかり確認しておきましょう。

がん保険と就業不能保険、どちらを選ぶかで考えるべきポイント

がん保険と就業不能保険は、どちらもいざという時の治療費や生活費などの手助けになる頼もしい存在ですが、がん保険は基本的にどの保険会社のものであっても、がんの種類を問わずに保障されるものがほとんどであるのに対して、就業不能保険は保険会社によって保険対象となる就業不能状態の判断の幅などにかなりの違いがあります。

日本国民の2人に1人はがんになるといわれる時代ですし、まずはがん保険に加入して今後の生涯への安心感をひとつ増やしておくというのがおすすめです。そのうえで、働き盛りの年代の不安をさらにカバーするものとして就業不能保険を加えるのもいいでしょう。

ただし、就業不能保険の給付条件については、事前に約款などでしっかりと確認しておくようにしましょう。

監修FPが解説するがん保険と就業不能保険との違い

自営業やフリーランスで働く人にはいいかもしれないが

就業不能保険は、病気やけがなどで働けなくなったとき、保険金がもらえる商品です。保険金の受け取り方法も、一時金ではなく、毎月給料のように受取りできる商品もあります。がんを含む5疾病(悪性新生物・急性心筋梗塞・脳卒中・肝硬変・慢性腎不全)、不慮の事故による身体障害、けがや疾病による高度障害など、保障範囲はかなり幅広いです。また、最近ではストレス性疾病に対応した商品も出ています。

ポイント

ただし、高度障害や身体障害の状態になった場合に支払われるのに対し、疾病の場合は働けない状態になって、60日を超えないと支給されないものが多くあります。また、支払い要件に該当した場合、年金支払終了期間まであらかじめ決めた金額を毎月もらえる商品もあれば、就業不能状態が続いていなければ年金をもらえない商品もあります。保険会社によって、かなり条件が変わるため、しっかり確認することが大切です。

会社員であれば傷病手当金でカバーすることもできる

傷病手当金は、病気やけがで会社を休み、会社から十分な給料をもらえない際に、支給されます。しかも、60日の待機期間ではなく、3日の待機期間で支払われます。会社員であれば、わざわざ就業不能保険に加入しなくてもいいかもしれません。

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