がん保険における診断給付金(一時金)とは?

ここでは、がん保険の特約として目にすることの多い「診断給付金(一時金)」について解説します。診断給付金を契約するうえでのポイントや、給付金の用途の範囲などについて詳しくまとめました。

現役ファイナンシャルプランナー中野さん

監修ファイナンシャルプランナーさん:中野令子さん

現在2児の母。短大卒業後、出産前までは大手証券会社で長年営業に従事。個人や法人の顧客向けに資産運用商品や保険などの金融商品を販売。現在は自営業の夫の仕事を手伝う傍ら、自身の経験を活かし、ウェブライターとして活動中。わかりやすいをモットーに、身近にあるお金について解説します。1級FP技能士。

がん保険における診断給付金(一時金)とは

がん保険における診断給付金とは、「がんと診断されたときに給付される保険金」です。保険会社により、「診断一時金」や「がん診断保険金」などと呼ばれることもありますが、いずれも保険商品としての趣旨は同じ。基本的に、がん保険などの主契約や特約としてまとまったお金が支払われます。

診断給付金で給付される保険金の額は、100万円、200万円、50万円などさまざま。保険商品のプランや契約者の希望により、さまざまな金額で設定することが可能です。診断給付金として受け取った保険金は、治療はもとより、治療以外のどんな用途にでも使うことが可能。食費や家賃などに充てても問題ありません。

診断給付金でチェックしておきたい3つのポイント

診断給付金の特約を契約するときには、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

いくら給付されるのか?

商品プランや契約者の希望により、給付金額は異なります。一般的には50~200万円の範囲となるようですが、もちろん、それよりも高く設定することも可能です。

給付金額を高く設定するほど、万が一の際には安心です。ただし、高く設定するほど支払い保険料も高くなることを理解しておきましょう。

がんと診断されただけで本当に給付されるのか?

大半の診断給付金は、がんと診断されただけで保険金が給付される仕組みです。

ただし一部の保険商品の中には、「がんと診断されて、かつ、がん治療を目的に入院すること」などのように、診断だけでは給付要件に該当しないケースもある模様。契約前にきちんと給付条件を確認しておきましょう。

給付回数に制限はあるのか?

「年に1回まで」「2年に1回まで」「通算5回まで」「2回目以降は、入院を伴った場合のみ」などのように、商品プランによって給付回数の制限が異なります。加入を検討する際には、給付制限の内容等をよく確認するようにしましょう。

診断給付金はどんな用途にでも使える

給付された診断給付金は、治療費はもとより、どんな用途にでも利用することができます。たとえば、次のような用途に利用しても何ら問題はありません。

治療に関連する治療費以外の費用

通院に使った電車賃やタクシー代、宿泊費などに使うことができます。あるいは、お見舞いに来る家族の交通費や食事代に使うこともできます。

生活費

入院するしないかに関わらず、患者自身はもちろんのこと、家族にも生活があります。食費、家賃、ローンの支払いなど、生活に関わるいかなる用途に診断給付金を使っても問題ありません。

その他の費用

子供の養育費、趣味に要する費用、田舎の両親への仕送り、知人へのお歳暮代など、その他どんな用途に使っても大丈夫です。預貯金に回しても、株式や投資信託などの投資資金に回しても問題なしです。

他にも知っておくべきこと

診断給付金に関して知っておくべきこととして、以下の3点を確認しておきましょう。

診断給付金をいくらに設定しておくのと安心?

闘病中、治療や治療に関連する費用をすべて賄えるほどの金額を設定していれば、もちろん安心でしょう。しかしながら、実際に闘病でいくらの実費が必要となるかというデータについては、残念ながら確認できません。ある調査によると、がん治療に要した1年間の費用の総額が115万円ほどとの報告もありますが、その数字の正確性は明らかではありません。

結論だけ言えば、おおむね100万円ほどの診断給付金を設定しておくと、万が一がんと診断されたときには、金銭的にも精神的にも安心はできるようです。診断給付金以外の保険の内容も考慮し、各自、保険料に無理のない範囲の金額で設定しましょう。

診断給付金は非課税

基本的なことですが、診断給付金に税金は課せられません。たとえ診断給付金を生活費や預貯金に回したとしても、所得税はもとより、住民税や健康保険料、年金保険料が上がることはありません。税務署にも役場にも申告の必要がない収入であることを理解しておきましょう。

精神的な安心感につながる

いかなる種類のがん治療であれ、多くの場合、治療には副作用が伴います。たとえ入院を伴わない治療だとしても、副作用で仕事がままならず欠勤を余儀なくされることもあることでしょう。中には、会社規定によって一時的に減俸となる可能性もあります。

そのようなつらい状況の中で、たとえ100万円でも速やかに保険金が給付されると、精神的には非常に安心です。診断給付金は、経済的メリットに加え、精神的メリットも大きい商品であることを理解しておいてください。

監修FPによる診断給付金の解説

まとまった一時金がもらえる診断給付金で安心

最近のがん保険で多くみられるのが、がんと診断された際にまとまった一時金が支払われる商品です。しかも、1回で300万円ももらえる商品も出ています。治療を始める前にまとまった一時金を受け取れると、治療費は当然ですが、当面の生活費や治療費以外のお金の心配をすることなく、治療に専念できます。高額医療制度が使えるので、治療費は後から戻ってくるものの、一時的に貯蓄を取り崩すなどして、治療費を立替えなければなりません。突然の思わぬ出費に慌てることなく、備えることができるように、診断給付金ができれば無制限、もしくは複数回支払われる商品を選ぶと、安心ですね。

注意ポイント

診断給付金の給付条件は保険会社によって異なります。まず、悪性新生物のみの保障しかなく、上皮内がんは対象外か減額(50%など)されているものがあります。また、2回目以降の診断給付金の支払い要件が、厳しい商品もあります。2回目以降も再度病理医の診断がないと支払われず、再発しているにもかかわらず、給付金をもらえないことになってしまいます。そのような事態をさけるために、事前にしっかり確認しておきましょう。