がん保険における手術給付金

ここでは、がん保険における手術給付金について詳しく解説しています。手術給付金とは、文字通り、手術を受けた都度に給付される保険金のこと。がん保険の主契約にもなりうる大切な一時金です。

現役ファイナンシャルプランナー中野さん

監修ファイナンシャルプランナーさん:中野令子さん

現在2児の母。短大卒業後、出産前までは大手証券会社で長年営業に従事。個人や法人の顧客向けに資産運用商品や保険などの金融商品を販売。現在は自営業の夫の仕事を手伝う傍ら、自身の経験を活かし、ウェブライターとして活動中。わかりやすいをモットーに、身近にあるお金について解説します。1級FP技能士。

がん保険における手術給付金とは

がん保険における手術給付金とは、がんの三大治療の一つである手術療法を受けた際に受け取れる給付金のことです。

近年のがん治療の技術発展には目覚ましいものがあり、医療現場では、かつてほど手術が頻繁には行われなくなりました。しかしながら手術ががんの三大治療の一つであり、かつ、がんの根治を目指す有力な方法の一つであることは、今も昔も変わりません。

もとより手術給付金は、がん以外の手術においても適用される保険です。がん保険を始めとした医療保険に加入するうえで、かならず内容をしっかりと検討すべき給付金であることを理解しておきましょう。

手術給付金は特約ではなく主契約の場合が多い

「○○給付金」という名の保障の大半は、医療保険における主契約ではなく特約であるケースが多くあります。しかしながら、手術給付金の場合は、多くが主契約であるため、「手術給付金」を付けないという選択肢は、ほとんどありません。

手術給付金の対象外となるもの

手術給付金は、がんに関連した手術であればどんな手術でも給付される、というわけではありません。主に次の2つの手術には適用されないことを覚えておきましょう。

先進医療に含まれる手術

いわゆる先進医療に含まれる手術については、通常の手術給付金の対象とはなりません。先進医療での給付金を望む場合には、通常、特約として「先進医療給付金」を設定する必要があります。

検査が目的の手術

たとえば胃や大腸に確認されたポリープが良性か悪性かを調べるため、内視鏡で組織を摘出する手術が行われることがあります。この場合、がんに関連した手術の一種とはなりますが、治療が目的ではなく検査が目的の手術です。検査が目的の手術に対しては、通常、手術給付金は支払われません。

手術給付金でチェックしておきたいポイント

手術給付金を契約する際のポイントを2つ確認しておきましょう。

給付金額が「倍率変動型」と「倍率一律型」かを確認する

手術給付金の保険金には、「倍率変動型」と「倍率一律型」の2種類があります。契約する際には、どちらの型の保険であるかを確認しておきましょう。

倍率変動型の手術給付金とは

倍率変動型の手術給付金には、主に「10倍・20倍・40倍タイプ」の3種類があります。

入院給付日額に対し、手術の種類に応じて10倍、20倍、40倍のいずれかの倍率を乗じた金額を、入院給付金に加算して給付するタイプです。

一律型の手術給付金とは

「がんの手術を受けた場合には、一律で20万円給付」などのように、給付金が定額になっているタイプの保険金のことです。詳細は後述します。

給付金の支払い制限があるかどうかを確認する

がんの手術給付金は、原則として何度手術を受けても、その都度、給付金が支払われます。ただし中には、「手術の開始日から60日に1回の支払いを限度とする」などのように、支払い制限が設定されている保険もあるので、契約の際にはよく確認しましょう。

手術給付金の設定に関する具体例

手術給付金の設定について、「倍率変動型」と「倍率一律型」に分けて具体例を見てみましょう。

倍率変動型の手術給付金の具体例

倍率変動型の手術給付金には、主に「10倍・20倍・40倍タイプ」の3種類があります。

10倍・20倍・40倍タイプ

入院給付日額に対し、手術の種類に応じて10倍、20倍、40倍のいずれかの倍率を乗じた金額を、入院給付金に加算して給付するタイプです。たとえば、乳がんの手術で12日間入院し、かつ手術給付金の契約が「入院日額1万円・倍率40倍」だと仮定します。すると給付される保険料は、次のように計算されます。

入院給付金+手術給付金=(1万円×12日分)+(1万円×40倍)=給付金総額52万円

倍率一律型の手術給付金の具体例

手術の種類に応じて、一律の金額を入院給付金に加算して給付するタイプで、一律20倍としているケースが多いようです。たとえば、乳がんの手術で12日間入院し、かつ手術給付金の契約が「入院日額1万円・手術10万円」だと仮定します。すると給付される保険料は、次のように計算されます。

入院給付金+手術給付金=(1万円×12日分)+10万円=給付金総額22万円

倍率変動型と倍率一律型のどちらが有利か?

一見すると、倍率変動型の方が倍率一律型よりお得な気がします

倍率変動型は、保険会社ごとに、手術の種類に応じた倍率を細かく設定しており、同じ手術でも、保険会社によって倍率が異なることもあります。軽い手術は給付金が少なくなり、重い手術は給付金が多くなるように設定されています。

一方で、倍率一律型(20倍)は軽い手術も重い手術も、一律(20倍)に保険金が支払われます。
当然、手術費用をほぼカバーできる倍率変動型の方が、倍率一律型よりも保険料は割高になってしまいます。

最近では、日帰り手術でも給付金がもらえる商品や、5倍や10倍などと倍率を自分で選ぶことができる商品も出てきています。もらえる給付金を増やせば、支払う保険料は必然的に高くなりますので、それらの倍率も考慮しながら具体的な保険商品を考えていくと良いでしょう。

監修FPによる手術給付金の解説

初期のがんには対応できるが、これだけでは不安

がんの三大治療の1つである手術を行った際に、もらえるのが手術給付金です。ほとんどのがん保険に主契約でついており、がん治療の目的で手術を行うと何回でも、支払われます。

しかしながら、最近のがん治療では、手術回数は昔ほど多くありません。また、早期がんであれば手術で取り除くこともできますが、ステージが進行しているがんの場合は、手術は行わずに抗がん剤治療などを行うことになります。

手術給付金は、あればありがたい保障ではありますが、がん治療を行うためには若干心細い保障かもしれません。手術以外の治療でも給付金がもらえる保障もつけておくことが、大切です。