がん保険における治療給付金と通院給付金

ここでは、がん保険における治療給付金について詳しく解説します。通院給付金と治療給付金の違いを明確にし、それぞれの特徴や選び方のポイントなどを押さえておきましょう。

現役ファイナンシャルプランナー中野さん

監修ファイナンシャルプランナーさん:中野令子さん

現在2児の母。短大卒業後、出産前までは大手証券会社で長年営業に従事。個人や法人の顧客向けに資産運用商品や保険などの金融商品を販売。現在は自営業の夫の仕事を手伝う傍ら、自身の経験を活かし、ウェブライターとして活動中。わかりやすいをモットーに、身近にあるお金について解説します。1級FP技能士。

がん保険における通院給付金・治療給付金とは

かつて、がんの治療法の主流は「入院+通院」というスタイルでした。手術を受けるために入院し、その後、退院してから通院によって治療を続けるという形です。

もちろん現在でもこの形での治療は多いのですが、近年では、がん治療の手法が高度化したこともあり、入院を伴わず通院のみでがんを治療する患者のほうが多数を占めています。

これらがん治療のスタイルの変化に応じ、がん保険の形も少しずつ変化し始めています。以下、がん保険における通院給付金と治療給付金の違いについて見ていきましょう。

がん保険における通院給付金とは

がん保険における通院給付金とは、退院後の通院治療費を保障する保険金のこと。保障される通院日数は契約内容によって異なります。また給付される保険金は、契約内容によって日額を基準に算定されます。

たとえば、「退院後365日を限度に日額5,000円を保障する」といった保険の場合、支払われる保険金の総額は「退院後365日以内の通院回数×5,000円」となります。

なお近年では、入院を伴わないがん治療まで保障範囲を拡大している通院給付金も登場しています。このタイプの通院給付金の場合、給付の条件として入院を必要としないものの、従来どおり保障額は日額を基準に算定されます。「入院せずに放射線治療に10回通った」という例であれば、「10回×保障日額」が給付されます。

がん保険における治療給付金とは

がん保険における治療給付金とは、入院の有無や通院回数を問わず、「60日に1回20万円」などの一括給付を保障するタイプの保険金のこと。保険金の日額が設定されているのではなく、期間と金額が設定されているタイプです。がん保険における手術給付金に似たイメージと考えて良いでしょう。

たとえば「60日に1回20万円」の保障の場合、この60日の間に何度治療を受けてもかならず20万円が給付されます。何十回治療を受けても、わずか数回しか治療を受けなかったとしても、同じく20万円の給付です。

なお、がん保険における治療給付金は、治療法別に「放射線治療給付金」や「抗がん剤治療給付金」などという名称で呼ばれることが多いようです。

治療給付金でチェックしておきたいポイント

がん治療の通院治療費を保障する保険には、上記のとおり、通院給付金と治療給付金の2種類があります。それぞれを選ぶ際のポイントを確認しておきましょう。

通院給付金を選ぶ場合のポイント

通院給付金を選ぶ場合には、「退院後の通院だけを保障するのか」、または「入院の有無を問わず保障するのか」について、かならず確認しておいてください。加えて、給付期間や給付限度日数なども確認しておきましょう。

なお、近年は入院をともなわないがん治療が多くなりつつあることを理解しておきましょう。

治療給付金を選ぶ場合のポイント

治療給付金を選ぶ場合、まずは「放射線のみの保障なのか」「抗がん剤のみの保障なのか」「放射線も抗がん剤も両方保障しているのか」を確認します。加えて、支払い頻度や金額などの条件も加味したうえで、通院給付金タイプとよく比較して検討しましょう。

保障内容を適宜見直す

がん治療の技術は急速に発展しています。とりわけここ10年ほどの発展は、非常に目覚ましいものがあります。

がん保険を検討する際には、この医療技術の発展に対応している内容かどうか、適宜チェックすることが大切です。数年前に加入したがん保険の内容は、現在、医療現場の常識とはかけ離れた古いものになってしまう可能性があります。医療保険の中でも特にがん保険は、少なくとも1年に1回は内容をよく見直したほうが良いでしょう。

もとより、手術・抗がん剤・放射線の「三大療法」のすべてに対応している保険を選ぶべきであることは、言うまでもありません。

治療給付金の主な種類

治療給付金の主な種類を確認しておきましょう。

抗がん剤治療給付金

入院・通院を問わず、抗がん剤での治療(化学療法)を受ける際に給付される保険金のこと。一定期間につき一定額の給付が一括でなされますが、期間や金額は保険プラン等によって異なります。一般には「抗がん剤治療を受けた月ごとに一定額」というタイプが多いようです。

下記の放射線治療給付金などと合わせ、「がん治療給付金」としてまとめられているタイプもあります。

がん放射線治療給付金

入院・通院を問わず、放射線でのがん治療を受ける際に給付される保険金のこと。対象となる治療は異なるものの、趣旨は上記の抗がん剤治療給付金と同じです。

がん先進医療給付金

厚生労働省が認める「先進医療」を受けた際に給付される保険金のこと。先進医療の技術料には、公的医療保険が適用になりません。全額自己負担で治療を受けることになりますが、その技術料は一般に高額です。この高額な技術料を保障するのが、がん先進医療給付金です。

給付金の上限額が500~2000万円に設定されているプランが多いようです。

監修FPによる治療給付金・通院給付金の解説

現在のがん治療には治療給付金と通院給付金が重要

現在、がんの治療は主に手術・薬物療法・放射線治療の3つで行われています。そして、抗がん剤やホルモン剤などによる薬物療法や放射線治療のほとんどが、通院によって行われています。

その際、頼りになるのが通院給付金です。通院給付金は、がん治療を目的として通院した際に支払われますから、通院による薬物療法や放射線治療に有効ですが、入院をした後の通院が対象になっているものもあります。ですから、がんと診断された後、入院をすることなく薬物治療や放射線治療を行ってしまうと、保険金がもらえなくなるという場合があるので、しっかり確認しておきましょう。

治療給付金は、抗がん剤治療や放射線治療など、がん治療を目的とした治療を行った際に支払われます。治療を行った月ごとに支給され、通院や入院かは関係ありません。ひと月に1回しか治療を行わなかったとしても、あらかじめ決められた給付金をもらえます。

例えば、乳がんは手術後のホルモン剤治療が、5~10年ほど続きます。商品ごとにひと月にもらえる金額やもらえる回数は異なるため、自分にあう商品を選びましょう。