がん保険における入院給付金

ここでは、がん保険における入院給付金について詳しくまとめています。入院給付金とは、入院日数などに応じて支払われる保険金のこと。がんはもとより、他の病気やケガにも適用される保険です。すべての人が検討すべき医療保険と考えておいたほうが良いでしょう。

現役ファイナンシャルプランナー中野さん

監修ファイナンシャルプランナーさん:中野令子さん

現在2児の母。短大卒業後、出産前までは大手証券会社で長年営業に従事。個人や法人の顧客向けに資産運用商品や保険などの金融商品を販売。現在は自営業の夫の仕事を手伝う傍ら、自身の経験を活かし、ウェブライターとして活動中。わかりやすいをモットーに、身近にあるお金について解説します。1級FP技能士。

がん保険における入院給付金とは

がん保険における入院給付金とは、がんの治療を目的として入院した際に支払われる保険金のこと。治療費はもとより、入院にともなって発生する様々な出費や、入院中に減少する収入(逸失収入)などをカバーするものとして、広く推奨されている保険です。給付額は「1日10,000円」や「1日5,000円」などのように、1日単位で加入者が設定します。

なお入院給付金は、あくまでも治療を目的とした入院に対して支払われる保険金です。よって、がんを特定するための検査目的の入院には支払われません。

入院給付金でチェックしておきたいポイント

入院給付金を契約するうえでチェックしておきたいポイントを2つ確認します。

支払い限度日数を確認する

各保険商品には、それぞれ給付金の支払い限度日数が設定されています。通常は60日、120日、180日の3タイプ。それらのうち主流は60日タイプです。商品を検討する場合には、まずこの支払い限度日数を確認してください。

なお、かりに180日タイプの保険に加入し、かつ180日の間に2度入院したとしても、入院の原因が同じである場合には1回の入院としてカウントされます。この場合、2回の入院を合わせて180日が限度となることに注意してください。

日額タイプか一時金タイプかを確認する

多くの入院給付金は「入院日額×入院日数」で計算される日額タイプですが、一部のニーズに応えるため、一時金をからめたタイプの入院給付金を用意している保険会社もあります。具体的には「日額+一時金」「短期入院の場合は日額ではなく一時金」「いかなる入院でも一時金のみ」といったものです。

契約をする際には、日額タイプか一時金がからんだタイプなのかを確認するようにしましょう。

入院給付金の設定と自己負担額

入院給付金を高めに設定すれば、当然ながら保険料も高くなります。逆に保険料を安く抑えれば給付金も安くなるため、万が一の入院の際に不安です。給付金の額をどの程度に設定するのが良いのでしょうか?

入院した場合にかかる費用を想定する

給付金の額の設定に際し、まずは入院したときに実際にかかる費用を想定します。

入院にかかる費用の内訳は、医療費の自己負担分のほか、保険適用外の医療費や差額ベッド代、入院中の食事代や備品代、家族のお見舞い費用など。加えて、自営業の方などは逸失収入入院中に働けないことで失われる収入)も含まれるでしょう。

生命保険文化センターの調査によると、これら入院中にかかる費用の平均は、1日あたりで19,835円(高額医療費制度を考慮した金額)。逸失収入も加えると、入院1日あたりの平均費用は23,901円とされています。

自己負担も考慮した保険を設定する

よほどゆとりのある世帯であれば、上記の入院費用のほぼ全額を保障する形で入院給付金を設定しても良いでしょう。

しかしながら大半の世帯においては、全額保障の形で保険契約を結ぶと、家計に大きな負担となります。よって、結論としては「入院費用の一部を保険で、残りを自己負担で」と考えるのが現実的でしょう。

ただし、保険と自己負担との比率については、加入者の属性や収入によって変わります。会社員であれば、傷病手当等によって逸失収入を一定額カバーできるはずなので、保険の比率をやや低めに設定して良いかも知れません。逆に自営業者の場合には逸失収入を考慮し、保険の比率をやや高めに設定しておくと良いでしょう。

会社員であれ自営業者であれ、万が一がんで入院した場合には一定の自己負担が生じるものと考え、普段からコツコツと貯蓄をしておく姿勢が大切です。

給付金額設定の具体例

高額医療費制度が適用されたとし、かつ1日あたりの医療費の自己負担分が3,000円と仮定します。ここに、食事代や雑費、家族のお見舞い費用などが1日あたり2,000~3,000円ほど加算されます。入院給付金額を設定する場合には、これらを合わせた日額5,000~6,000円を最低ラインと考えたほうが良いでしょう。理想としては、差額ベッド代や逸失収入を考慮し、日額10,000~15,000円程度の給付金を設定したいものです。これら給付金で賄えない部分を貯蓄で自己負担する、と考えてください。

監修FPによる入院給付金の解説

知っていますか?入院時の食事代と差額ベッド代

ほとんどのがん保険において、入院院給付金は、日数無制限で支払われます。手術前後では、入院が必要になるでしょうし、ステージが進行した場合も、入院せざるを得ない状況になるかと思われます。入院時の食事代は1日1,380円かかります。【*1食460円(一般の場合)で3食分で計算 社会保険庁HPより】そして、差額ベッド代は、1人部屋で7,837円かかり、4人部屋であっても2,440円が必要です。【平成29年7月1日現在「主な選定療養に係る報告状況」】最近のがん治療では、入院だけではなく、通院による治療も多くなってきているとはいえ、日額5,000~10,000円くらいの入院給付金の保障をつけておくと、いいのではないでしょうか。ただ、日額5,000円だと、医療費と食事代しか賄えず、差額ベッド代は自己負担しないといけないかもしれません。

入院日額の保障を多くすれば、保険料も当然高くなります。入院時の食事代と差額ベッド代の費用を目安に、自身の必要な保障を考えましょう。